ドラマ第7話「石けんの秘密とキスの巻」2019/09/07 13:54

今回も面白かったです!

第7話「石けんの秘密とキスの巻」のエピソードは、小説では第4巻の第2話「俺、手作りOKの人だから!」になります。
勇さんについては5巻の第5話「三十八歳の地図」に彼の独白があります。

舞台がメーカーであるからには、工場と、そこで働く工員の話はどこかで書かなければと思っていました。

4巻を書く前に、大手企業の工場に行ったんですが、そこの壁に製造者のマイスターの写真が貼ってありました。
オートマチックの大きな工場です。マイスターというほど製造者の腕による製品の善し悪しなんてあるんですか?と、不思議に思って聞いてみました。
レシピを作るのは開発部だし、製造者は機械の管理をするだけでは?
案内してくれた方が言うには

工場に空調があっても、気圧や気温湿度などは微妙に違う。原材料もいつも同じものが入って来るとは限らない。
その都度、製造部員による微調整が必要。
そして、その微調整がうまい人、下手な人がいる。
もちろん出荷する製品はすべての基準値をクリアしているが、うまい人の製品は、いつ抜き打ちで検査しても、限りなく中央値に近い。
基準値よりもさらに狭い中央値のレベルの値を常にクリアしている人を、社内マイスターとして認定している。

うまい下手の人の差は、どこにあるんですか?

勘でしょうね。

写真が貼られていた人は特に優秀で、五年連続でマイスターになっている。すごい人です。

なるほどーほへー。
そうか。衛生用品て、化学化合物ですもんね。
工場で製品管理をしている普通そうなおじさんが、社内で尊敬を集めるすごい製造技術者。
かっこいいな。
これ書こう。一本できた。と思いました。


おそらく「製造工場の留田さん」「アイちゃん」は全国のあちこちにいるでしょう。
名もなき職人の手によって、衛生用品、工場製品の質の良さが保たれているのです。
これがこのエピソードのテーマです。

最後の留田さんの台詞
「本当に怖かったのは、石鹸を作れなくなることじゃない。
作れなくなったと周りに知られて、価値のない人間だと思われることでした。」
は、ドラマのオリジナルです。
見られてよかった。よく昇華してくださったと思います。
でんでんさんと森田さん、とてもよかった。森田さんが、アイちゃんが大好きだとTwitterで仰ってくださって嬉しかったです。


次回は社長の息子にして専務、円城格馬さんと、太陽にまとわりつく女、樹菜ちゃんが登場します。
橋本淳さんと筧美和子さん。

よろしくお願いいたします。

コメント

_ マーク ― 2019/09/11 22:31

7話拝見しました。本もよかったのですが、映像もよかったです。
マイスターのセリフに込められた気持ち、わかりすぎて辛かったです。
そこまでの存在になると、その力を失うことがとても怖くなる。
でもマイスターは自分以外の誰かに持てる技を伝授しようとしている、
そんなこと出来るなんてすごいです。
天天コーポレーションは人を大切にする会社なんですね。

_ 祐子 ― 2019/09/14 21:14

マークさん、ありがとうございます!

人を大事にするのは天天の方針、理念でもあります。
だからこそのいい面もあれば不合理な面もありますね。そこを経理部の目線で観てきたのだと思います。
読み取っていただけてと嬉しいです。
でんでんさんも森田さんもすばらしい演技でした。
これからはオリジナルの展開になっていきますが、あと3話、よろしくお願いいたします!

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