コバルト短編公募の結果が出ました。2020/09/03 12:05


選考会は楽しかったです。編集者さん容赦ない。自分が新人だったころを思い出し、応募者側の立場になりそうになった。
そんなのわかってるよ、簡単にできれば苦労しないよ!みたいな。

まああれです、いろいろ考えて数回トライして書いてみて、それでも無理なら諦めることも肝心です。
私が、SFもファンタジーも壮大な歴史ロマンも大好きだけど私にはどうやら無理なんだ…と悟った時のように。
青木さんの女性キャラは強すぎる(おそらく性格が悪いというニュアンス)、もっと清く正しく可愛くしてくださいとオファーを受け、一生懸命可愛くしようと思ったけどついに可愛くならなかった時のように。
勝手にもがいて、もう売れなくていいから、強くて性格悪い女を思い切り書くわ!と書いたのが探偵貴族、幸せ戦争、さくらちゃん、森若さんです。
それで一定の評価を受けました。なんだ、これが私の持ち味だったんだ…と拍子抜けしました。

でもこれは私の話でね。人によって乗り越え方は違うんですよ。
選評にも書いたけど、欠点を潰していくってやり方より、美点はどこだろうと考えるほうがいいと思う。
もちろん本当に、ここは直した方がいいって箇所は誰にもあるけれども。それにしても、そうすることによって自分の持ち味を消すことにならないように。
批判されることを恐れないでください。講評というのはダメ出しだから怖いだろうけど、ダメを出されないことを目的にしてはならない。
欠点はないが、つまらない。って作品よりも、これは有り得ないだろー!と思いながらも面白い。みたいな作品を書くほうが伸びると思います。

「存在の耐えられない軽さ」2020/09/06 14:18

ミラン・クンデラ。
読みたかったけど今の私に読めるか?と躊躇してカートに入れっぱなしになっていた小説が届いた。
これ好きって小説は冒頭から、ああ私はこれ好きだなと思う。
地の文で小説家の文章と思想に酔う、というのはとても気持ち良い。

原点2020/09/20 21:19

このところ、自分の過去作品をずっと読んでいました。
いろんな意味で悶絶する。
ヴィクロテは熱い。若書きでプロットが強引だったり文章のミスも目立つけど、キャラクターの熱量がすごくて気持ちを持っていかれる。
あのころの少女小説はこうだったんですよ。
少女小説、というくくりがこの数年、気になってならないです。

過去に、同じように一回、ヴィクロテをしっかりと読み返してみたことがあります。
ヴィクロテが終わった直後は解放された気持ちの方が強くて読む気にもならなかったんだけど、ひどいスランプになって、体調を崩して、そのときに久しぶりに読んでみたら、とても面白くて涙が出た。
これは私の代表作だと初めて思うことができた。

過去にこだわるのもよくないんだけどね。儀式です。
この物語とは何なのか、書いている間はわからないのかもしれません。

さて頑張って次の作品を書きます。
森若さんがドラマになったことは僥倖でした。
多部未華子さん、重岡大毅さん、すべての役者さん、スタッフの皆様に感謝しています。
この先、書くことで返していければと思います。
<< 2020/09 >>
01 02 03 04 05
06 07 08 09 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

このブログについて

小説家 青木祐子のお仕事と日常

青木祐子が個人で執筆・管理しているブログです。
すべての文章の著作権は作者にあります。コピペはお控えください。

たまに小説や、小説の断片などを期間限定で載せることがあります。

コメントは確認後に公開する設定になっていますが、原則公開します。
非公開希望の方は、非公開でとお書きください。
よろしくお願いします。

お仕事


2021年のお仕事

□小説現代3月号 
コーチ! はげまし屋 立花ことりのクライアントファイル

■3月発売。講談社文庫
コーチ! はげまし屋 立花ことりのクライアントファイル

画:丹地陽子 様

■4月25日発売。集英社オレンジ文庫
これは経費で落ちません! 〜経理部の森若さん〜8

画:uki 様

■5月発売。集英社オレンジ文庫 単行本
レンタルフレンド

画:げみ 様

□8月発売。STORY BOX
派遣社員あすみの家計簿2 残業と洗濯機

画:uki 様

■9月発売。小学館キャラブン!
派遣社員あすみの家計簿2

画:uki 様



■これまでのお仕事

profile

青木祐子

2002年、「ぼくのズーマー」で集英社ノベル大賞受賞。
現在は、集英社オレンジ文庫、集英社文庫を中心に書いています。
公益社団法人 日本文藝家協会会員。

◆コバルト文庫「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」(略称ヴィクロテ)全29巻完結。
◆ヴィクロテは、読売新聞社主催の「SUGOI JAPAN AWARD2015」ライトノベル部門において、ベスト50に選出されました。

◆「嘘つき女さくらちゃんの告白」が、2017年本の雑誌、オリジナル文庫大賞の、最終選考6作に選ばれました。

◆「これは経費で落ちません!」2019年7月よりNHKドラマ10にて、ドラマ放映。全10回。主演:多部未華子、重岡大毅 (敬称略)

◆「これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~」シリーズ7巻発売中。

連絡は、最新の記事のコメントでお願いします。
私信のコメントは非公開にします。返信先をお書きください。
現在、「女性会社員を主人公にしたお仕事小説」の新しいご依頼をお断りさせていただいています。ご了承ください。

RSS