眉村卓先生が亡くなられました ― 2019/11/04 20:54
私にとっては、好きな作家でもあり、私のデビューのきっかけとなったノベル大賞の審査員でもあります。
パーティでお目にかかった程度ですが、穏やかで優しい、講評であっても辛辣なことを言わない温かい方でした。
なんとなく受賞時の講評を読んでみました。
「この作品の書き手が、突出した激情とか未知のイメージとどうかかわり合ってゆくのか、そういうことをする人なのかしない人なのか、少し気になったりする。」
他の審査員の方もそうなのですが、今あらためて読むと、審査員の先生がどれだけ考えて正鵠を射ていることか。簡単な言葉で痛いところを突いているのがわかります。当時はわかりませんでした。
平凡を書きながら、激情や未知のイメージとどう関わるか。私のやり方でどう書くか。というのは私が追いかけていることです。
そういうことをする人です。
眉村卓先生、ありがとうございました。
ご冥福を心よりお祈りいたします。
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