「嘘つき女さくらちゃんの告白」を書くにあたって2017/01/20 20:27

ちょっと昔語りをしてみます。

昔の知り合いに、虚言癖の人がいました。
生い立ちだったり、仕事の経歴だったり。とても無邪気に、「自分をよく見せるための嘘」をぺろっとつく。


わたしはすごく不思議でした。
だってバレバレなんですよ。
初対面の人はもちろん気づかないから、「凄いなあ」「憧れちゃいます」なんて言っているんだけど、ちょっと長く一緒にいれば嘘だってわかっちゃうんですよ。
一緒に聞いている私が、いきなり「それってこの間の話と違いますけど」って言い出したらどうするんだろう。そういうことを、この人考えないのかなと思ってた。

一回だけ、嘘を私が指摘しちゃったことがありました。
何かの雑談で、その人が、ある小説のエピソードを自分の体験談として話したのですが、私はその小説をたまたま読んでいたので、「あ、それって○○にあった話ですよね」って空気を読まずに言ってしまった。
その人は「え?何言ってんの?ごめんね、この子ってちょっとおかしくて」って、私を変人にして乗り切ってしまいました。まわりは大爆笑。

こういうのって、神経質に設定を作り上げるよりも、その場の雰囲気をつかむことが要なんですね。
学びたくないけど学んでしまった。

で、もっと不思議なのは、
私以外の初対面じゃない人たちも、嘘に気づいているはずなんだけど、そうかそうかって話を合わせているところ。
こういうのって指摘しないもんなんだねえ。
で、指摘しなきゃ、それが事実として何の支障もなく進んでいくもんなんだなと。
それとも、おかしいと思うわたしがおかしいのか?
今でも思い出すと、ちょっと調子のくるわされる感じになります。なんだったんでしょうあれは。


「あの人」はひとりではありません。
今後いずれまた、このテーマで書きたいです。

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現在は、集英社オレンジ文庫、集英社文庫を中心に書いています。
公益社団法人 日本文藝家協会会員。

◆コバルト文庫「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」(略称ヴィクロテ)全29巻完結。
◆ヴィクロテは、読売新聞社主催の「SUGOI JAPAN AWARD2015」ライトノベル部門において、ベスト50に選出されました。

◆「嘘つき女さくらちゃんの告白」が、2017年本の雑誌、オリジナル文庫大賞の、最終選考6作に選ばれました。

◆「これは経費で落ちません!」2019年7月よりNHKドラマ10にて、ドラマ放映。全10回。主演:多部未華子、重岡大毅 (敬称略)

◆「これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~」シリーズ7巻発売中。

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